子どもによっては毒!中学校のワーク攻略

定期テストや長期休暇の際、学校から出される課題を「ワーク」

期日までに途中式や答えを書き、赤でマル付けをして提出します
そのため、すでに解答を渡されている場合がほとんどのよう

しかし、夏休みの場合、8月の登校日に解答を配布する、という決まりになっている学校もあるようです

 

その「ワーク」の量は実に膨大で、「答えもらってから丸写しすればいいや」と思っていると、大概間に合いません

稀にとんでもない集中力を発揮し、登校日の解答配布から、わずか4~5日で仕上げてしまう子もいますが…
その集中力を別のところに使えないか、と思いますし、そんな集中力を持っている子は、テスト直前でも力を発揮し、そつなく定期テストをクリアしているようです(苦笑)

 

それがいいか悪いかはひとまず置いておいて、ここでは、登校日から丸写しでは間に合わない、「ワーク」の正しい攻略の仕方をお伝えします
どうぞ参考になさってください

 

 

「ワーク」は、基本、とても良い教材

 

解答丸写しで提出も構いませんが、学校で配布されるワークは、基本的に、教材としては非常に良いものと言えます

薄く、書き込みしやすく、オールカラーで非常に見やすい
余白も多めなので、数学に関しては別途計算用紙も必要ない場合がほとんどでしょう

また、単元ごとに見開きになっているため、簡潔に復習できます
問題レベルも、基本的な用語確認、一問一答形式や、基本の計算問題から始まり、応用の記述や文章問題まで、大体3段階程度に分かれているようです

 

これほど使いやすい問題集は、本屋でもそう簡単に見つけられるものではありません
学校専売となっており、大手塾でも入手は困難です

これほど使いやすくレアな教材ですから、解答丸写しで活用しないのは、とてももったいないことです

 

 

ワークが「薬になる」「毒になる」とは、何か

 

では、本来「良い教材」であるワークが、「薬になる」「毒になる」というのは、どういうことでしょうか

「薬になる」つまり、しっかりプラスに働き、良い効果、メリットになる場合というのは
・かつてやった単元を思い出し、その感覚を取り戻すことができる
・各単元の「できる」「できない」をしっかりあぶりだすことができる
・レベル別問題により、次に目指すレベルの目標設定ができる

などが挙げられます

 

では、ワークが「毒になる」という場合は?これはもう、一言に尽きます

時間と集中力のムダ

 

定期テストであまり点数の良くない子にとっては、まさに「毒」になってしまいます

自分で解けるわけもないのに、前から順番にやってみる
時間をかけてでも自分でやってみる
親がそれを良しとし、傍で監視しようものなら最悪です

左ページの基本問題も危ないのに、左ページのチャレンジ問題が出来るわけがありません

それをアタマからやらせようなど、時間と集中力のムダです

定期テストで思うような点が取れない子は、もともと集中力も続かない子が多いので、貴重な集中力をできもしない問題に費やすなどもったいないことです

 

学校から配布される、レア良教材「ワーク」
このあと、毒にすることなく上手に活用する方法を、お子さんの学力別にみていきます

 

 

平均点+15点以上⇒用法によっては効果↑

 

定期テストで常にこのくらいの点数が取れている場合、その科目の左ページ、基本問題はおそらくバカバカしく感じてしまうかもしれません

しかし、バカバカしく感じるくらい簡単なら、左ページはものの10分もかからずに解けるはずです
しっかり自分の力で解きましょう

 

スポーツ選手を思い浮かべてください
彼らは高度な技術習得を目指しますが、日々の筋トレも欠かしません

ワークの基本問題は、いわば腹筋背筋腕立てと同じ位置にあります

何十分もするものではないですが、それを外すことはできないのです
各単元の感覚を鈍らせない、基礎計算力の強化、基本用語の再確認、様々な効果がジワリと出てくるので、計画的にササッと終わらせましょう

 

このレベルの子にとって、キモとなるのは右ページの、チャレンジ、応用、C問題といった部分になります
ここの問題は、しっかり時間を確保し、自力で解くようにします
記述も自分なりに完成させましょう

そして、解説を読み、解き方や思考パターンを理解することに努める
テストの上位争いになると、様々な出題パターンに触れ、どれだけ「問題の種類」を蓄積できるかがポイントになってきます

どんな問題を出されても、「この問題見たことある」「似たようなの解いたことがある」という取っ掛かりから、点数に繋がっていきます

 

 

平均点前後⇒まさに「良い薬」ど真ん中

 

平均点くらいを常にキープできている子は、各単元の身に付けるべきポイントは定着していると思われます

その知識を土台に、基本と応用の間くらいの問題を「こう、かな?」と自分なりに頑張ってみる
出来る場合もあるし、出来ない場合もある。それ故に、平均点「前後」という位置にいます
おそらく、一番伸びしろがあると言えるでしょう

 

まずは、左ページの基本問題は必ず自分でやるようにします
「分かった気になっている」という一番危険なモレを洗い出します
数学の計算はもちろん、理社の用語や一問一答もしっかりやりましょう

平均点前後の子どもは、意外と「なんとなく」ですり抜けてしまっていることが多く、のちにそれがボディブローのように効いてしまうのです
歴史用語も正確に理解していないと、記述問題で余計なことを書いてしまったり、思わぬところで減点されかねません

 

そして、右ページの問題ですが、自分でできそうなところはどんどん埋めて、「ん?」と思ったらヒントを見てナビゲートしてもらいましょう

学校準拠のワークは、ほとんどの場合、ページの上か下、もしくは別紙で「解き方ヒント」が載っています
市販の問題集ではなかなか無いものです
ぜひ活用してください

ナビゲーションありでも、自分で出来たという成功体験と、格闘したその過程が、ちゃんと子どもに蓄積されていきます

 

 

平均点に、絶妙に届かない⇒用法に注意

 

単元によって、定着未定着がまだらになっている場合が多いです

特に英語や数学は、各単元が完全に独立しているわけではなく、積み重ねで成り立っています

数学の一次関数も、等式の変形が出来なければ解けない問題がありますし、そもそも中1の文字式で分数の問題が出来なければ、一次関数もすぐに頭打ちになります

英語も、過去形、進行形が分かって、過去進行形が成り立ちます
まだらの状態では、長文なんてとても読むことはできません

 

まずは左ページの基本問題を自力で解き、危険単元を洗い出します

特に数学は、ケアレスも含め3問以上間違えたら危険と言えるでしょう
基本問題で3問以上ケアレスが出るとすれば、解き方等を考えながら進めている可能性があります
数学において、基本問題で「考える」ことが必要であれば、それは未定着と言えます

そして、基本問題がすらすら解けない単元については、同じような問題を別に用意し、自力で完璧に解けるまで反復練習しましょう
安定的に平均点を保つには、「みんなが落とさないところを自分も落とさない」ことが大前提です

ちなみに、基本問題と同じレベルの問題は、ネットで検索するとたくさん出てきますどんどん活用していきましょう

 

平均点に届かないくらいの学力であれば、危険単元の右ページに手を出すことは、場合によって「毒」となります

基本問題の反復が必要な単元については、無理に応用を解こうとしても、貴重な時間と集中力をただ消費するだけになってしまうのです
そんなことをするくらいなら、一問でも多く反復練習をした方がよっぽど効果があります

 

基礎が定着している得意単元は、ぜひ右ページにもチャレンジしてください

得意単元の右ページ攻略方法は、一つ上の「平均点前後」を参考にしてください
ヒントを見ながら、吸収できるものはどんどん吸収し、得意単元に磨きをかけます「自信のある単元」が出来ることは、点数的にも子どもの内面的にも非常に良いことです

 

 

平均点-15点以下⇒使い方を間違えるとただの「毒」

 

平均点に遠く及ばないのであれば、各単元の基本すらあやふやである可能性があります
点数によっては、「自分が今、何をしているのか」すらも分かっていない場合もあります

この場合は、「学校の課題だから」「ちゃんとやれば出来るはず」などと闇雲に全てやらないでください

このくらいの点数を取ってしまうと、やはり親御さんも心配のようで、傍で付きっきりで勉強を見てあげる、なんて話を聞きます

 

しかし、これこそ一番マズイ方法です

プロでない方が、子どもの学力に応じた問題を取捨選択できるわけがないのです

基本問題が出来ないのも、なぜできないのかによってやらせる問題が変わってくるものです
「学校の課題だから、全部やる」のは、ムダ以外の何者でもありません

また、今と昔では、教え方・考え方が大きく変わっていることがほとんどです
親御さんの経験のみで解説をしてしまうと、余計な混乱を招くことになりかねません

厳しい言い方になってしまいますが、素人の指導・解説ほど害になるものはありません

 

では、どうするか

学校のワークをベースに、学力に応じて指導してもらう、いわゆるプロの家庭教師に頼むのが一番良い方法ですが、これではマッチングや手続きなどに時間がかかりますし、費用も掛かってしまいます

 

自宅でもできる、効果的なワーク攻略方法は、

左ページの基本問題に全力をつぎ込み、同レベルの問題をたくさん用意し、基本問題は条件反射で答えられるくらい徹底的に練習する
右ページはないものとし、答えを写すのみで良し、やるな

 

とにかく基本問題を自力で確実に正解できるよう、反復練習をします
そうしないと、テストで点に繋がりません
少しでも平均点に近付くには、各単元の基本問題を確実に正解へ導ける力を養わなければなりません

右ページについては、おそらく問題文を読んだところで、何を言っているのか分からない場合がほとんどでしょう
そんなものに時間を割くくらいなら、回答の丸写しで結構です

むしろ、答えの丸写しにも相応の時間と集中力を要するので、さっさと「作業」を終わらせられるよう応援してあげてください

 

そして、ここでネックになるのが、大量の基本問題の入手方法です

本屋で買う問題集は、はっきり言って役に立ちません
それぞれの問題集がそれ一冊で完結するように構成されているため、応用問題も相応の量が含まれています

すると、購入した問題集の、おそらく半分以上が活用できないページとなってしまうのです

 

対策は主に2つ

ひとつは、ネットで検索し、あらゆる無料サイトから基本問題のみを徹底的に集めまくる方法

今は、ネット上に良心的な無料プリントサイトがいくつも存在します
そのサイトから基本問題のみを繰り返しプリントアウトすれば、紙とインク代のみで、必要な分だけの問題を入手できます

しかし、解説はついていない場合がほとんどですので、正しい考え方を、親御さんがご自分で調べて解説してあげる必要があります

 

もうひとつは、割と値段が抑えられる、中学生向けの通信教育を利用するものです

昔の紙媒体のものと違い、今はパソコンやタブレットを使用するものがほとんどです課題がどんどん溜まっていったあの頃とは違うようです(笑)
ちゃんとした業者を利用すれば、子どもの学力に合った問題をたくさん用意してくれますし、何より、分からない部分の「正しい解説」を受けることが出来ます

親御さんが、時間と労力をかけ必死になって解き方・考え方を調べるより、プロに外注したほうがコスパ的にもいいかもしれません

 

 

学校のワークは「作品」と割り切る

 

ちゃんとしたワークとして活用できる子どももいますが、そうでない場合も当然あります

しかし、やらないわけにはいきません
もう、ワークは、学習用問題集ではなく、提出すべき「作品」と割り切ってしまいましょう

ワークの存在意義は色々ありますが、そのうちの一つに、先生が生徒を評価をする際の判断材料、が挙げられます
成績を付ける際、全員を細かく見ることが出来ない教科担当の判断材料です
通知表でいう、各教科の一番上にある「関心」に主に響くものです

 

先生たちも、それぞれの生徒が、自力でどの程度まで解けてどこを丸写ししているかなど、そんなことは分かっています
大切なのは、「自分の実力にふさわしい程度」で「ちゃんとやった形跡を残す」ことです
できもしないところまで、自力で無理してやれなどと、先生たちも思っていません

 

学校のワークとは、「期日」までに「完成」させて「提出」するもの
そう割り切って、活用できるところは活用し、無理なところは無理をしない

できないところまでやらせるために、先生たちも課題を出しているわけではないのです
子どもの実力に見合った使い方をして、先生たちにやる気(=関心)をうまくアピールしましょう

 

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